あらすじ
山あいの温泉宿・宝玉館には、代々の当主だけが知る“守り神”がいる。
ある朝、当主の良彦は神棚の正絹の布から、ピンクの玉が消えていることに気づく。
夢で聞いた泣き声を頼りに梅林へ向かうと、崖の途中の細い枝に玉が引っかかっていた。
どう取るべきか迷う良彦の前で、玉はふっと風に揺れ、まるで導かれるように彼の胸へ飛び込んでくる。
初代から続く守り神の気配と、宿を守る小さな精霊の存在を、良彦は静かに受け止めていく。
湯気の奥で息づく精霊と、宿を継ぐ者の物語。
【温川温泉 宝玉館】シリーズの最終話(第4話)