あらすじ
Web制作会社でディレクターをしている僕は、採用サイトの最終確認中、Figmaに投稿者不明のコメントが残されていることに気づく。
《このコピーでは、届きません》
最初は誰かの深夜作業だと思っていた。けれど、灰色のアイコンによる指摘は、ボタンの位置、写真の違和感、見出しの言葉選びへと広がっていく。しかもその内容は、いつも正しい。正しすぎる。
やがてコメントは、社長メッセージの写真に刺さる。
《この人を、載せてはいけません》
それはもう、デザインへの指摘ではなかった。
採用サイトの裏側に隠されたもの、誰も読まなかった退職者の言葉、きれいに整えられた会社の嘘。
幽霊ではない。
けれど、確かにそこには、未解決のまま残されたコメントがあった。