あらすじ
高校生の朝倉美咲は、「自分で選ぶ」という感覚を持てないまま育ってきた。
入学式の日、迷いなく笑う同級生・白石玲奈に出会った美咲は、自分を持っている彼女に憧れ、持ち物も髪型も真似ていった。
玲奈と同じものを選ぶとき、初めて「自分」を掴めた気がした。
けれどそれは、玲奈という土台の上にしか立てない危うい足場だった。
やがて玲奈は距離を置き、転校していった。
空っぽになった美咲の前に現れたのは、後輩の小宮莉緒。
今度は莉緒が、美咲を模倣し始める。
かつて自分が玲奈にしていたことを、鏡のように見せつけられた美咲は、輪郭を求める飢えが人から人へと受け継がれていく連鎖に気づいた。