あらすじ

1950年代、香港。 路地裏の喧嘩に明け暮れていた少年・李振藩は、やがて詠春拳の達人・葉問の門を叩く。 そこで学んだのは、力任せの戦いではなかった。 中心線。 最短距離。 間合い。 タイミング。 攻防一体。 そして、無駄を削るという思想。 だが少年は、教えられた技をそのまま信じることができなかった。 「なぜ、この形なのか」 「もっと速くできないか」 「道場で使える技は、実戦でも本当に使えるのか」 「相手がボクサーなら?」 「組みついてきたら?」 「流派が違えば、使ってはいけないのか」 疑問はやがて、武術そのものへの問いへ変わっていく。 香港からアメリカへ。 詠春拳からボクシングへ。 フェンシング、柔道、レスリング、身体力学、哲学――。 ブルース・リーは、東洋と西洋の境界を越えながら、「武術とは何か」を追い続けた。 そして1960年代。 彼はついに、ひとつの名前へたどり着く。 Jeet Kune Do――截拳道。 しかし、それは新しい「流派」を作るための名前ではなかった。 むしろ、流派に縛られないための思想だった。 これは、世界的映画スター、ブルース・リーの成功物語ではない。 一人の武術家が、学び、疑い、壊し、そして自由になるまでの物語である。 『截拳道 ― ブルース・リーが武術を捨てた日 ―』 香港の喧嘩少年はいかにして、世界の武術史を変える思想へたどり着いたのか。 その原点から誕生までを描く、歴史ドキュメンタリー小説。

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カクヨム
カクヨム2026/08/06
  • 現在の作品『截拳道 ― ブルース・リーが武術を捨てた日 ―』