あらすじ
遥か昔――。
人は生まれた日に「仮面」を授かり、その役目を生涯果たし続ける《仮面の王国》。
王は王として、騎士は騎士として、与えられた運命に従うことだけが、この国の絶対の掟だった。
素顔を晒すことは、王国への反逆。
誰も本当の笑顔も、涙も、愛も知らない。
そんな世界で、孤独な女王エレナは、夜になると密かに仮面を外し、王宮の片隅にある秘密の庭を訪れていた。
そこで出会ったのは、自らも禁忌を犯し仮面を外した一人の近衛騎士、ルシアン。
互いの正体を知らぬまま、二人は月明かりの下で語り合い、笑い合い、やがて恋に落ちていく。
しかし、この国は人々の「偽り」によって支えられていた。
王国を救うために女王へ課せられた運命は、自らの命を捧げ、《最後の仮面》となること――。
世界を守る使命か、それとも、たった一人を愛する心か。
月だけが見守る秘密の庭で紡がれた、切なくも美しい恋の物語。