あらすじ
四月から働く会社までは、実家から片道二時間。
一人暮らしを反対されて途方に暮れていた紗良に、隣の家で育った幼馴染・海が提案した。
「じゃあ、俺と一緒に住む?」
家賃は折半。部屋は別。恋人は家に連れ込まない。
始まった同棲生活は、二十二年間ずっと一緒にいた二人にとって、驚くほど自然なものだった。
毎朝起こしてくれて、食事を作ってくれて、好みのコーヒーを淹れてくれる。
時には少女漫画のような距離で触れてきて、紗良にだけ知らない男の顔を見せる。
もしかして、この優しさは私にだけ?
そう思うことはあっても、海が自分を好きなはずはないのだ。
だって小学生の頃、海は紗良のことを「妹みたいなもの」だと言っていたから。
これは恋なのか、幼馴染なら普通なのか。
鈍感なのではなく、信じる理由がない紗良と、十分すぎるほど伝えているつもりの海。
二十二年分の思い込みが邪魔をする、幼馴染同棲ラブコメ。