あらすじ

2016年12月、ガジャ・マダ大学(UGM)で日本文学を学ぶ大学院生のエド(23)は、異国の文化や哲学を愛しながらも、人生の意味を模索する静かな孤独の中にいた。 2017年1月、厳しい寒さが世界を包む冬。エドは長年の夢だったアニメの聖地、長野県・諏訪湖へと旅立つ。マイナス10度の大気、湖面を割り神々の足跡を描く「御神渡り(おみわたり)」、そして世界の境界が曖昧になる夕暮れ――「カタワレ時」。 その幻想的な景色のなか、エドは立石公園の長い滑り台の終着点で、一人激しく泣きじゃくる10歳の少女、あかりと出会う。彼女は、何よりも大切にしていたリカちゃん人形の「フワちゃん」を失くし、世界のすべてを失ったかのように絶望していた。 子どもを深く愛するエドは、彼女のひび割れた心を救うため、ある「美しい嘘」を紡ぎ出す。 「フワちゃんは失くしたんじゃない。世界中を旅しているんだよ」 翌日から届き始める、世界中を旅する人形からの偽りの手紙。それは、切なくも温かいイマジネーションの旅の始まりだった。しかし、楽しい冬休みは終わり、エドがインドネシアへ帰国する時がやってくる。彼はあかりに、一匹のぬいぐるみのクマと、大人になるまで決して開けてはならない「秘密の手紙」を託すが――。 それから7年後の冬。18歳になったあかりが、古びたぬいぐるみの中に隠された「本当の真実」を見つけたとき、時を超えた涙の奇跡が訪れる。 「愛したものはすべて失われるかもしれない。けれど、愛は必ず、形を変えて戻ってくる」 赤道の下からやってきた心優しい青年作家が、日本の少女に捧げた、一生忘れることのできない「愛と喪失」の感動作。あなたも、カタワレ時の奇跡に涙しませんか?

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小説を読もう2026/08/06
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