あらすじ
大阪府寝屋川市。
寝屋川市駅東口から続く寝屋川一番街商店街の一角に、老夫婦が営む昔ながらの喫茶店「喫茶こもれび」がある。
寝屋川市で生まれ育った十九歳の女子大学生・高瀬ひよりは、幼い頃から母親とこの店へ通い、店主夫婦から孫娘のように可愛がられてきた。
大学生になったひよりは、思い出の詰まった喫茶こもれびでアルバイトを始める。
好奇心旺盛なひよりは、分からないことや、日常に潜む小さな違和感を放っておけない。
一杯しか飲んでいないのに、必ず二杯分の代金を支払う常連客。
日曜日だけコーヒーが苦いと言ってくる常連客。
毎週同じ曜日、同じ時刻に現れる二人の男女。
店を訪れる人々の何気ない言葉や注文、普段とは違う行動から、ひよりはその裏側に隠された事情を少しずつ解き明かしていく。
しかし、謎を解けば、すべてが幸せになるとは限らない。
明かさない方がよい秘密もあれば、誰かに伝えなければ届かない思いもある。
大阪らしい楽しい会話と、一杯のコーヒー。その向こうに隠された、温かく、ときには少し切ない小さな謎。
これは、喫茶こもれびに集う人々と、好奇心旺盛な女子大学生・高瀬ひよりが織りなす日常ミステリー。