あらすじ
――今日もまた、誰ともまともに話せなかった。
「私、リーゼロッテ・リーディスティは、極度のコミュ障である」
「……赤ちゃんの頃は、そんなことなかったはずなんだけどね」
誰に言うでもなく、独り言がこぼれる。
唯一の友達は、廃墟に住み着いた真っ白な猫だ。白いから、ゆきちゃんと呼んでいる。
「ゆきー、ご飯買ってきたよ」
その声を理解しているのかどうか、猫は「にゃあ」とだけ返してくる。
「はぁ……ゆきちゃん、今日もかわいいねぇ……!」
思いっきり頬ずりをすると、露骨に嫌がられた。
――死にたい。唯一の友達なのに。
……はぁ。今日もどうしようか。いつもの狩りにも、そろそろ飽きてきた。遠出でもしてみようか。それとも、傭兵ギルドに顔を出して出稼ぎでもする?
……人、いっぱいいるよね。怖いよね、ゆきちゃん。
やっぱり、ここにいよう。うん、そうしよう。明日にしよう。なんだか天気も崩れそうだし、濡れるのは嫌だし、何より――人がいっぱいいるし。
明日から、頑張る。