あらすじ
《不定期更新/中長編/大正時代風・和風怪異BL》
幼なじみで恋人だった高瀬静也を病で亡くした医師・槙島修司。
四十九日を迎えても静也の死を受け入れられない修司は、医院へ通う老人から「返しの井戸」の話を聞く。
亡くした者の名を呼び、悲しみを井戸へ返すという古いまじない。
信じていなかったはずの修司だったが、雨の降る山中で、思わず願ってしまう。
「返してくれ」
その願いを聞いた井戸から現れたのは、静也ではなく、少年の姿をした不思議な怪異だった。
人の身体には不慣れ。言葉を話すのも、服を着るのも、風呂へ入るのも初めて。供物だけでなく人間の食事も大好きで、何度食べてもすぐに腹を空かせる。
「腹が減った」「先ほど食べただろう」「腹が減った」
静也に似た面影を持ちながら、静也とはまるで違う怪異に振り回され、修司の静かだった暮らしは少しずつ騒がしくなっていく。
これは、恋人を亡くして立ち止まった医師と、人の感情も暮らしも知らない食いしん坊な怪異が、一緒に食べ、喧嘩をし、手をつなぎながら、少しずつ家族のような関係を築いていく物語。
可愛い怪異との日常を中心に、ときどき不思議で、少し切ない和風怪異BLです。
◎更新について
本作は不定期更新です。
一話ずつ推敲を終えたものから公開していきます。更新間隔が空く場合があります。
◎閲覧前のご案内
物語の冒頭に、病気による死、看取り、死別の描写があります。