あらすじ
両親を亡くした佐伯博文は、重度の障がいを抱え、電動車椅子と人工呼吸器なしでは生きていけない。
身寄りを失った彼は、人里離れた山奥に建つ**「ヒポクラテス療養ホーム」**で新たな生活を始めることになる。
穏やかな自然に囲まれた施設。
親切な職員。
優しい入居者たち。
すべてが静かで、平穏そのものに見えた。
――最初の事件が起こるまでは。
消えた車椅子。
不可解な失踪。
説明のつかない事故。
そして、誰も語ろうとしない**「隔離病棟」**の存在。
次々と起こる不可解な事件に、博文は持ち前の鋭い観察眼と論理的な推理で挑んでいく。
やがて彼を支える若き看護師、藤原莉奈もまた、この療養ホームが隠し続けてきた秘密に気づき始める。
完璧な評判の裏側には、決して外へ漏れてはならない真実が眠っていた。
事件を一つ解決するたび、博文は真相へと近づいていく。
だが、その先で彼を待ち受けているのは――
この療養ホームそのものを揺るがす、最大の謎だった。