あらすじ
「いやー、ほんと……はー……」
「……いや、何か言えよ」
宇宙船アステロ号。その食堂で、おれたちは一つのテーブルを囲んで座っていた。合成コーヒーの入った紙コップをそれぞれ手にし、かすかに震えが残る指先を温めながら、先ほどの危機を乗り越えたことを七人全員がようやく実感し始めていた。誰もが神経を解きほぐすように、深く息を吐いていた。
普段、軽口ばかり飛ばしているレイモンドでさえ、このように言葉を失うほどあれはまさしく絶体絶命だった――いや、いつものレイモンドのおふざけだ。わざとらしく何度もため息をつき、しまいには「はー!」と声を張り上げた。
ビルが呆れたように肩を小突くと、誰からともなく笑いが漏れ出し、たちまち室内に満ちた。
このお決まりのやり取りは平穏が戻ったことを確認するための儀式のようなものだ。皆がそれをわかっており、過剰なほど笑った。
その笑い声が静まりかけた頃だった。ドアが静かに開き、全員の視線が一斉にそちらへ吸い寄せられた。
アンドウだった。
「おお、アンドウ。お前もこっち来て座れよ」