あらすじ
異世界へ召喚された鳴海透が授かったのは、剣でも魔法でもなく、書かれた文章と事実の食い違いを見抜く《添削》という地味な力だった。勇者になれなかった彼は、十八歳以上の成人学生が集う星環学院で臨時教師となるが、赴任初日に命じられた仕事は授業ではない。危険すぎて隔離された第十三学級――二十四人の《災厄候補》から、自主退学届の署名を集めることだった。
ところが、一枚目の退学届に記された《本人の自由意思》が、透の目には真っ赤な誤りとして映る。名簿から消されていたのは、触れた武器を必ず壊す《破剣姫》リゼット・エルヴァーン。自分には壊すことしかできないと信じた彼女は、学院を救うため、命を燃料にする危険な炉心停止作業へ向かっていた。
透に運命を書き換える力はない。できるのは、誰かが間違って記した評価を見つけることだけ。それでも彼はリゼットの名を出席簿へ書き戻し、彼女の力が本当に壊していたものを突き止める。
「君はまだ、俺の生徒だ」
一人目の生徒が教室へ帰還した時、残る二十三人の災厄候補たちも、新任教師へ興味を示し始める。呪われた元王女、規格外の魔導技師、痛みを引き受ける聖女――行き場も理解者も失った彼女たちの才能と未来を添削するたび、なぜか卒業後の進路希望は《先生の隣》へ書き換わっていき……?
これは、役立たずの赤ペン一本を手にした教師が、世界から見放された生徒たちを最強へ導き、少しずつ特別すぎる想いを向けられていく、救済と成長の学園ファンタジーラブコメ。