あらすじ
かつて地獄を巡り、運命をねじ伏せて、
「100%の平和」を
証明したあの日から数年。
禍々しい空も、蠢く影も姿を消した、
霧ヶ埼中学校で、斎原瑞月は音楽教諭として、
薙巛は国語教諭として、
そして間宮は保健医として、
穏やかな日々を送っていた。
校長となった羽鎌田、そして白里や佐藤も
また、変わらない笑顔でそこにいる。
怪異はもう、誰も見えないし、感じられない。
三人で始めた一軒家でのルームシェア。
教壇に立つ日常と、
くだらない軽口を叩き合う愛おしい食卓。
かつて命を賭して手に入れた完璧な「箱庭」の
中で、彼らは祝福された平穏を享受していた。
――しかし、七つ禍時の空が、
二度と訪れなくなった世界で、
瑞月はほんのわずかな「寂しさ」と
「違和感」を覚える。
見えなくなったからこそ愛おしい、
過ぎ去りし日の記憶。
失われた記憶と、
二度と戻らない微かな傷跡を胸に、
大人になった彼らが手繰り寄せる、
世界で最も平凡で、
最も愛おしいアフター・ストーリー。