あらすじ

真鍮と歯車の街、ブラスヘイヴン。 工房エリアの片隅には、少女リリィと黒猫ナイトが暮らす、小さな修理店があります。 古い懐中時計、欠けたティーカップ、動かなくなった機械仕掛けの鳥。 今日も店には、誰かの大切な思い出が詰まった壊れものが持ち込まれます。 リリィには、物に触れると、そこに残された記憶や思いを感じ取る不思議な力がありました。 大切に使われた時間。 言えなかった「ありがとう」。 忘れたくない笑顔。 もう一度だけ聞きたい声。 リリィは物が抱える小さな記憶に耳を傾け、ひとつひとつ丁寧に修理していきます。 壊れたものは、すべてを元通りにできるとは限りません。 それでも、傷や欠けを残したまま、新しい時間を刻み始めることはできます。 これは、物に宿る思い出をそっと繕う少女と、いつもそばで彼女を見守る黒猫の、少し不思議で心温まる物語。 一日の終わりに、心がほんの少しやわらかくなる、一話完結の短編集です。

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カクヨム
カクヨム2026/08/05
  • 現在の作品物に残る思いを視る少女が、壊れた品と心をそっと繕う物語。