あらすじ
蒸気機関と、青く輝く鉱石「天礎石」によって、急速な発展を遂げた皇都。
そこでは、古くから受け継がれてきた職人の技と、新たなからくり文明が肩を並べていた。
皇都の職人町で時計店を営む毒島は、腕は確かだが口も愛想も悪い、偏屈な時計師。
ある日、なじみのみつば茶屋を訪れた彼は、何年も前に壊れたはずの時計が、ほんの一瞬だけ逆向きに針を進めるのを目撃する。
同じ頃、皇都へ向かう蒸気列車には、不思議な弦楽器を携えた一人の旅人が乗っていた。
やがて起こる出会いは、偶然か。
それとも止まっていた時が再び動き始めた兆しなのか。
皇都の繁栄の陰では、大地を巡る古い地脈が傷つき、現世と異界の境が静かに崩れ始めていた。
人と妖。現世と異界。古き技と新しき文明。
いくつもの運命が皇都で交わるとき、白詰草の名のもとに集う者たちの物語が始まる。
和風スチームパンクの世界を舞台に描く、出会いと怪異と人情の浪漫譚。