あらすじ
世界は、なぜ争い続けるのか。
正義と悪。
自由と管理。
個人と社会。
豊かさと不足。
所有と共有。
国家と国家。
世界平和の答えを探し始めた一人のトラック運転手・庸介は、壮大な問いを追いかけながら、やがて奇妙な場所へ辿り着く。
それは、世界ではなく――自分自身だった。
怒っている自分に気づく。
自分の正しさを疑う。
違和感を放置しない。
相手を変えようとする前に、自分がどこから世界を見ているのかを観察する。
そして庸介は、一つの生き方を言葉にする。
中庸道。
それは、いつも真ん中にいるための道ではない。
人間は偏る。
怒る。
迷う。
欲しがる。
失敗する。
だからこそ、
気づく。
認める。
問う。
選択する。
偏ったら戻る。
また偏ったら、また戻る。
他人の中心を決めない。
自分の正しさを押し付けない。
必要以上に干渉しない。
しかし、守るべきものまで手放さない。
やがてその考えは、「ほっとけ論」「AI内省術」、小さな共同体、教育、国家、文明へと広がっていく。
けれど庸介が最後に辿り着くのは、世界を救うための完璧な思想ではなかった。
世界は一つにならなくていい。
人間は同じにならなくていい。
一つの世界に、たくさんの中心があっていい。
世界平和とは、争いが一度も起きない世界ではない。
争っても、破壊しきる前に戻れる世界。
違う人間同士が、違うまま存在できる世界。
そしてその道は、革命から始まるのではない。
今日、自分の中に生まれた小さな違和感に気づくことから始まる。
世界平和への道に、終点はない。
だから――
焦らずに生きて行こう。