あらすじ
大学生の佐伯が突然姿を消して十一日。唯一彼の部屋を知る友人である「僕」は、様子を見に古いアパートを訪れる。無人の部屋には、電源の入ったパソコンと、ChatGPTとの会話ログだけが残されていた。そこには、空室のはずの隣室から聞こえる奇妙な音や声、部屋に潜む「何か」への恐怖、そしてAIへ助けを求め続ける佐伯の記録が時系列で綴られていた。AIは一貫して現実を断定せず、安全を優先する助言を返すが、やがて会話は現実と妄想の境界を曖昧にしていく。すべてのログを読み終えた「僕」が最後にAIへ問いかけると、佐伯が残したという「ことづて」が表示される。そして部屋を出ようとした瞬間、最後の確認を促す不気味なメッセージとともに、静まり返った部屋で新たな異変が始まる。AIとの対話を軸に、「記録は真実なのか」という問いを読者へ突きつける心理ホラー。