あらすじ
あらすじ
東京・八王子で働く、ごく普通の会社員だった八木二郎。
仕事に追われる毎日を送り、疲れ切ったある日、アパートの階段から転落して命を落とす。
目を覚ますと、そこは降魔戦争を経験した並行世界の日本だった。
しかも自分は、黒い毛並みの山羊獣人――外なる神「ヨグ=ソトース」の落とし子として生まれ変わっていたのである。
現代日本は、1999年に始まった「星辰の時」によりディープワンやショゴスなどの魔物が出現し、六年間に及ぶ降魔戦争を戦い抜いた世界。
戦後二十年が経った現在、人々はダンジョンから魔石や資源を採掘しながら暮らしている。
しかし、人類を滅ぼしかけた「魔法」は禁忌とされ、魔法使いは邪神の眷属として討伐対象となる。
その一方で、人類は魔力を安全に利用する独自技術「符呪」を発展させ、符呪武器や魔道具によって魔物へ立ち向かっていた。
ヨグ=ソトースの血を引く二郎は、本来なら魔法を扱える存在だった。
その秘密が知られれば、軍や探索者協会に追われることになる。
そのため彼は正体を隠し、「符呪師」として生きる道を選ぶ。
相棒は、尻尾に宿る副脳・ダニッジ。
毒舌だが頼れる守護者であり、戦闘では助言を、日常ではツッコミを入れる相棒でもある。
奥多摩の八木家で一年間の過酷な訓練を積み、符呪術と近接戦闘術を身につけた二郎は、八王子へ旅立つ。
探索者としてダンジョンへ潜り、符呪武器を作って生活費を稼ぎ、ときには地下の魚人街で闇取引を行う。
やがて彼は、行方不明となった兄・太郎、山奥に封印された弟・三郎、そして八木家とヨグ=ソトースに隠された秘密へと巻き込まれていく――。
これは、邪神の血を引く少年が、人間として生きることを選び、符呪師兼探索者として八王子のダンジョン都市を駆け抜ける、ダークファンタジー冒険譚である。