あらすじ
「筋肉伯爵」ことグレイストーン大佐の愛娘・甘いケーキみたいな可愛いシャルロットの趣味は、剣術とお菓子作り。
彼女は王都七番街の「ラ・パティスリー・アンシャンテ(魔法にかかったお菓子屋さん)」が世界一好きで足しげく通い、お菓子の研究をしては、食べたぶんを剣術の訓練で消費する日々を過ごしていた。
そんなシャルロットの憧れは、魔法のようなお菓子を生み出す『アンシャンテ』の美しいオーナーパティシェさま。
けれど、名前も知らず、身分も違う彼とお近づきになれるはずもなく、ときおり店先に出てくる彼をうっとり眺めるだけである。
ところが、結婚相手を探すために参加したとある舞踏会にて、野暮ったい大きな眼鏡をかけた変わり者の伯爵子息が、そのオーナーさまだと知ってしまう。
ロチェスター伯爵家次男・ウィリアムは、元軍人の魔術師で、魔族との戦争が終わったあとに軍人を辞め、みずからパティシェとしてお菓子を作りつつ、『アンシャンテ』を経営しているのだ。
頭の固い父親にパティシェという仕事を認めてもらえないから、社交界では正体を隠しているというウィリアム。
舞踏会やガーデンパーティーで何度か顔を合わせて親しくなってゆくものの、その引け目からか、いっこうにダンスに誘ってくれない。
そんな折、魔族との戦争が終結した平和を記念して、国主催の武芸祭がひらかれることとなった。
その武芸祭の賞品が、なんと『伝説の魔女のレシピ』と呼ばれる、とびきりのお菓子や料理のレシピ集なのだという。
興味を示したウィリアムに、シャルロットはペアを組んで参加しようと持ちかけるものの、きっぱりと拒絶されてしまう。
どうやら彼には、軍人だったころに負った、癒えない傷があるようで……
見た目はお人形・内実は武闘派の伯爵令嬢と、かつては軍人、今は正体を隠した美貌のパティシェさま。
社交界と武闘祭で紆余曲折を経ながらも近づいてゆくふたりの恋は――甘くほろ苦いガトーショコラ?