あらすじ

十二年、嫁ぎ先の蔵で葡萄酒の樽を見てまいりました令嬢が、濡れ衣で「酒に水を混ぜた」と宴に晒され、焼き鏝を伏せて触れずにおりましたら、冬でお宅の酒だけ酸っぱくなりました。 霜の年は継ぎ目が乾く。乾きを見越して澱引きを二日ずらす。蔵に残るのは仕上がった酒だけで、その二日は残りません。それを読めるのは、わたくしの目だけでございます。 わたくしは裁きません。決まりどおり、焼き印を入れた樽にしか手を触れないだけでございます。破りも怠りもしておりません。ただ、決まりを守っております。 ——冬が明けるころ、葡萄酒組合は、あのお家を格付けから外しました。

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小説を読もう2026/08/05
  • 現在の作品濡れ衣で「酒に水を混ぜた」と宴に晒された令嬢は、焼き鏝を伏せて触れません——冬で、お宅の酒だけ酸っぱくなりましたわね