あらすじ
ブラック企業で炎上動画や広告を作っていた動画編集者の俺は、推していた学園配信ゲームの世界へ転生した。
しかし転生先は、推しの個人VTuber・栞鳥シルベを炎上させ、破滅へ追い込む暴露系悪役――一条院悟だった。
シルベは、コラボ相手の隠れた魅力を見つけ、成功へ導く不思議な配信者だ。彼女と共演した者は次々と人気になるのに、本人だけは「大して面白くない無名V」として埋もれ続けている。
そんな彼女が、人気男性配信者・小仙波湊と公式企画《NEXT STREAMERS SHOWCASE》のペアに選ばれた。
だが悟は、その選考を潰すための暴露計画をすでに完成させていた。
低い登録者数。湊本人からの推薦。関係者だけが与えた高評価。そして、半年前に悟がシルベを守るために使った非公開音声。
推薦理由を消し、人間関係だけを並べれば、正当な評価は癒着へ変わる。
慌てて公開を止めようとした俺だったが、協力者は計画を前倒し。予告動画は拡散され、二十四時間以内に本告発を投稿しなければ、承認済みの代替投稿が自動的に公開される。
投稿すれば、推しを壊す。
投稿しなくても、炎上は止まらない。
妨害すれば、今度は俺自身の関与が暴露される。
しかもシルベは、自分を攻撃する暴露アカウントにまで、こう問いかけてきた。
「今度は、誰も守れない形でやろうとしていませんか」
これは、推しを一方的に救う物語ではない。
他人の魅力を見つけられるのに、自分自身の価値だけは信じられない少女へ、奪われた選択権を返す物語だ。
原作では彼女を破滅させた悪役が、炎上と評判を操る力で運命を書き換え、今度こそ物語の主人公の座を奪い返す。