あらすじ

高校二年生になった宮下美桜。  クラスのグループトーク、既読の速さ、場の「正解」——目に見えない同調圧力に首を絞められるような日常の中で、美桜は胸ポケットの万年筆を密かな心の拠り所にしていた。  祖父から譲り受けたその万年筆は、美桜の体温を吸い、静かに彼女の「本当の言葉」を受け止めてきた。 しかしある春の午後、美桜はペン先が紙をかすかに拒むような、不自然な引っ掛かりを覚える。  自分を偽り、本音を殺して生きる心の強張りが、ペン先に伝わっているのだろうか。  美桜は放課後、吸い寄せられるように、あのインクと樟脳の匂いが漂う祖父の家へと向かう。

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カクヨム
カクヨム2026/08/05
  • 現在の作品023『藍墨の心―3年後の断章―』《美桜17歳》