あらすじ
「互いの家の祝いの席にも弔いの席にも、二人で立つ」——夫婦で交わした婚礼の日の取り決めを、十五年守ったのはわたくしだけでした。「行けない」とおっしゃる日々、あなたは別の楽しみの席にいらしたのに。
どの家の祝いに誰が立ち、誰の弔いで誰が頭を下げるか。それを覚えているのは、立ち続けたわたくしだけでございます。
わたくしは何も暴きません。対の懐中時計のあなたの分を大叔母さまへお返しし、名代を降りるだけ——取り決めの、正式な終い方でございます。
——次の弔いで、あなたの隣は空いておりました。どなたが十五年席を保っていたのか、皆さまはそこで初めてお気づきになります。