あらすじ

嘉暦二年、博多津。元の慶元から来た唐船が、水に濡れた二つの医書を運んできた。 『傷寒論』と『金匱要略』の断簡。 医書の読み手・真名が返り点を改め、その読みで薬を与えると、重い熱に苦しんでいた病人は立ち上がる。 だが、同じ訓点を施した写しが広まるにつれ、人々の病は記された順序をたどり、服薬の記録や家族の記憶まで書き換わり始める。 誰にでも届く治療か、目の前の一人を診る医術か。 救われた者の陰で、定められた型から外れた身体は「壊病」と呼ばれた。 中世博多の交易と古典医学を舞台に、正しい読みが人間の身体と過去を侵していく歴史医療怪異譚。

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カクヨム
カクヨム2026/08/05
  • 現在の作品壊病の訓点