あらすじ
これは現世の出来事ではございません。
人が命を終え、死出の山路を越えたその先――賽の河原での物語でございます。嗚呼、耳を傾ければ傾けるほど、胸の奥が締めつけられるような、なんとも痛ましいお話でございます……。
まだ二つ、三つ、四つ、五つ……十にも満たぬ幼子たちが賽の河原に集められます。
「お父さんに会いたい」
「お母さんに会いたい」
そうして零れる泣き声は、この世の子供の泣き声とはまるで違い、聞く者の骨身に沁み入るほど悲しく寂しいものです。
子供たちは小さな膝を河原につき、冷え切った石を一つ拾っては積み、また一つ拾っては積み重ね、供養塔を築いてまいります。それが賽の河原の決まりであり、幼くして命を落とした者たちに課せられる務めでございました。
一つ積んでは父のため。
二つ積んでは母のため。
三つ積んでは故郷の兄弟や自分自身のために祈りながら。