あらすじ
「この刀には、何かがいる」
人類は何千年もの間、刀剣に不思議な力を感じてきた。
日本には、徳川家に災いをもたらすと恐れられた「村正」がある。
その恐怖は伝説だけでは終わらなかった。
実際に「村」の銘を潰された村正が、現代まで残されている。
インドネシアには、単なる武器ではなく、魂や霊力を宿す存在として扱われてきたクリスがある。
中国には二千年以上の時を越えて発見された王の剣。
インドには王国と英雄の記憶を背負った刀。
ヨーロッパには王権を象徴する聖剣、岩に突き刺さった中世の剣、そして人間の首を落とすためだけに作られた処刑剣が残る。
本書が追うのは、架空のエクスカリバーやゲームの魔剣ではない。
実在した刀剣である。
なぜ普通の刀が「妖刀」になったのか。
なぜ人々は刀に魂があると考えたのか。
なぜ所有者の死が続くと、人間は刀そのものを疑うのか。
そして――
刀は、本当に人を呪うことができるのか。
世界各地に残る50の刀剣を訪ねながら、
「史実」
「事件」
「伝説」
「呪い」
「信仰」
「現在の所在」
を一話ずつたどっていく。
さらに各話では、その刀が生きた時代の日本・世界情勢も紹介する。
戦国時代。
大航海時代。
王朝の興亡。
植民地時代。
革命。
世界大戦。
一本の刀を追うと、その背後に世界史が見えてくる。
そして最後に残る問いは一つ。
妖刀を作ったのは刀工なのか。
それとも、人間なのか。
実在する刀剣50振から読み解く、
「人間と呪われた武器」の世界史。