あらすじ

母を亡くしてから、父と私はうまく話せなくなった。 言い争いばかりの食卓の真ん中には、母が最後に願った「お誕生日席」に座るウサギのぬいぐるみ――ミーちゃんがいる。 母の入院、別れの夜、そして「ミーちゃんが見ていてくれるから」という言葉。 その記憶は痛みと共に胸に沈んでいた。 進路を巡る衝突の夜、私は倒れ、意識の奥で母の声を聞く。 「お父さんはね、あなたを想って不器用に悩んでいるのよ」 目覚めたとき、父は泣きながら私の手を握っていた。 それから少しずつ、私たちは二人で生き直すように歩き始める。 数年後、恋人を連れて帰省した食卓で、ミーちゃんが再び「ズルッ」と傾いた。 まるで母がそっと背中を押してくれたように。 家族の痛みと再生を、静かに見守り続けるぬいぐるみの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/04
  • 現在の作品ミーちゃんの奥には