あらすじ
16世紀初頭、ローマ法王としてメディチ家の栄光を頂点に導いたレオ10世は、不可解な死を遂げる。
臨終に遺された「魔女の殺される」という言葉は、法王の異母姉マリーアの影を不気味に浮かび上がらせた。
呼び出された一族の傍流ジョヴァンニ・バンデ・ネーレは、法王の死の真相を追う中で、聖座の威光の裏に隠された姉弟の禁断の愛と、その血を引く子アレッサンドロの存在に辿り着く。
かつて抹殺されかけたマリーアは8年の沈黙を経て再びジョヴァンニの前に現れ、法王の罪と恐怖を暴き立てる存在となった。
信仰と権威に守られるはずの法王は、己の罪に蝕まれ衰弱の果てにその生命を落とした。
恩義と真実の狭間で揺れるジョヴァンニは、仇討と救済の念を胸にマリーアを追い詰めるが、彼女はすべてを拒み水底へと消える。残された血はやがて暴威となり、メディチの栄華の影は時代を越えてなお濃く人の世を覆い続けるのだった。