あらすじ
競輪で車券を買う黒田。
舞台で笑いを取りたい芸人・佐伯直人。
麻雀卓を囲みながら、二人はいつしか「勝つこと」よりも、「負けること」について考えるようになる。
勝ちたい。
認められたい。
成功したい。
でも、勝負をする以上、必ず負ける可能性がある。
では――
負けることのできない人間は、本当に勝負できるのだろうか。
負けたら言い訳をする。
失敗したら、自分を守る。
他人が勝てば、自分が負けたような気がする。
過去の結果を握りしめ、次の一手を選べなくなる。
そんな二人が、競輪、麻雀、お笑い、仕事、そして人との関わりを通して、少しずつ気づいていく。
「負けてもいい」んじゃない。
勝ちたいから、本気でやる。
それでも負けたなら、その結果を受け取る。
すぐに認められなくてもいい。
笑えないなら、笑わなくてもいい。
いつか手放せたら、空いたその手で、また次を選べばいい。
そして二人は、一つの答えに辿り着く。
賭けるとは、未来を当てることではない。
自分の時間、金、気持ち、努力、信用――
自分の何かを、どこに置くのかを選ぶこと。
競輪も。
麻雀も。
お笑いも。
仕事も。
人間関係も。
そして人生も。
結果は選べない。
けれど、
何に賭けるかは、自分で選べる。
勝ったら喜ぶ。
負けたら、いつか笑う。
そして――
また、賭ける。
ギャンブルとお笑いから「人間の本質」を描く、
勝ちたいすべての人と、負けたことのあるすべての人へ贈る物語。