あらすじ
俺の青春は、”鉄球”の前から始まった。
四月。高校一年。
俺は今、百メートルの直線に立たされている。
両脇は鉄の壁。後ろには直径二メートルの鉄球。
全力で走らないと死ぬ、という状況らしい。
こうなった原因は、たぶん一週間前にある。
父にゲーム機を壊され、渋々出た陸上部の体験入部。
……そこは、変人が集う陸上部だった。
表向きは普通に見える、普通に見えるのだが、実際は……。
地獄みたいな練習で同級生は全滅し、
最後まで残ったのは俺と、銀髪の陸上オタク女子だけ。
その陸上オタクが、一番ヤバい、諸悪の根源。
俺が気づくべきだったのだ、
誰にでも優しい、彼女の本性を……。