あらすじ

帰宅ラッシュの電車で、一人の男が突然倒れた。  迷うことなく駆け寄る大学生、救護に加わる主婦や会社員。  その一方で、何事もなかったかのように日常を続ける乗客たち。  高校入学から間もない「私」は、男を助けようと動こうとする。  しかし、その胸にあったのは純粋な善意ではなく、「良い子と思われたい」という打算だった。  車掌を探しに向かったはずの足は止まり、結局何もできないまま終わる出来事。  そして、そのとき初めて気づく。  人は「良い子」だから誰かを助けるのではない。  ただ助けたいから助ける人もいれば、自分のしたいことを続ける人もいるだけなのだ、と。  善悪という見えない物差しに縛られ、自分の価値ばかりを計算していた少年が、自らの滑稽さと向き合うまでを静かに描いた、痛切な青春掌編。

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カクヨム
カクヨム2026/08/04
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