あらすじ
「お前との婚約は破棄する!」——夜会の中央で王子にそう告げられた瞬間、侯爵令嬢セレスティアは前世の記憶と、ある“異能”に目覚めた。
人の心が、色で視える。
王子の全身は保身の灰色。寄り添う令嬢の涙の下は、嫉妬の黄濁。……ああ、なるほど。これは全部、茶番だ。
濡れ衣で追放された先は、北の辺境。“氷の殺戮公”と恐れられる公爵アルヴィスのもとへの、体のいい厄介払い。誰もが「憐れな」と囁いた。
——けれど。
冷酷と噂される彼の心は、誰よりも澄んだ、わたしへの一途な蒼だった。
言葉は嘘をつく。でも、色は嘘をつかない。
他人に決められる人生は、もう終わり。自分の目で“本当のもの”を選び取る、逆転の溺愛物語。