あらすじ

婚家の桟敷で芝居を観たことは、四年で一度もございません。「今度こそ二人で」と仰った夫は、当日になると「妹の目が悪いので」と義妹を連れて出ます。四年で二十四度。その数を町へ広めたのは義妹でした——「お義姉様は芝居がお嫌いだから」。二十五度目、わたくしは何も申しません。ただ隣の桟敷を一つ、芝居茶屋の番頭さんにお取りいただきました。すだれ一枚でございます。翌月から、どちらのお家からもうちへ人が来なくなりましたわね。お戻りのお願いは、お断り申し上げます。

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小説を読もう2026/08/04
  • 現在の作品「離縁なさるならすだれ一枚でございます」と番頭が笑った朝、芝居を二十四度譲らされた私は桟敷ひとつで付き合いを取り戻します