あらすじ
休み、二日酔い、しかし歯医者がある。
昨夜強かに飲み吐き気と頭痛でかなりのピンチ。口に手を入れられたらそれだけで吐くんちゃうかという確信めいた気配がする。しかし、当日キャンセルなどという狼藉を働いていいものかどうか。この日のために歯科医と歯科助手さんがしっかり準備してくれたものを「二日酔いで~」でぽしゃらせてしまうなど最悪の悪行。許されるのか? いや、断じて許されるものではない。なにより仕事でくそ忙しい中ようやく取れた虫歯治療のチャンスなのである。毎日氷と焼酎で麻痺させてきた歯の痛みもそろそろ限界。さっさと治療してもらって楽になりたいのである。最悪のコンディション。考えて出た結論は……
「……頑張ろう」
結論、頑張る。
なんとかなる。俺なら耐えられる。一劫も根拠のない自信を胸にいざ出発。ジャージ姿で家を出た瞬間、灼熱。燃える太陽が猛威を振るっている。日本の夏は暑すぎる。今ならまだ間に合う。振り返って再び扉を開いてから施錠して、クーラーの効いた部屋でゴロゴロする事も今なら、まだ。