あらすじ
俺はいつか、あの人を殺す。
ダンジョン化から7ヶ月。
相川透は、最下層で素材を拾うだけの「拾い屋」だった。
戦えない。ギフトもない。魔物に会えば、逃げるしかない。
その日、透は庇われて生き残った。
彼を突き飛ばして潰れたのは、缶コーヒーを奢ってくれる、優しいだけの人だった。
――忘れたくない。
そう願った瞬間、透は力を得る。
《走馬灯》。
目の前で死んだ者の最期の一秒を受け取り、その力を継ぐ能力。
言い換えれば、誰かが死なない限り、彼は一歩も強くなれない。
しかもその力は、透自身の記憶を燃料にする。
強くなるほど自分を忘れ、他人で満たされていく。
国内最強の探索者・霧崎灯は、彼の前に現れてこう言った。
「次は死ぬよ」
「……8人目か」
彼女の余命は、あと11ヶ月。
これは、相対した者の死からしか強くなれない最弱の青年が、
憧れた最強の少女を殺すまでの物語。