あらすじ

言及されるほど強くなる神がいる。 SNSで話題になった祠、バズった心霊スポット、ご当地キャラになった磐座——人の口に乗るたびに力を増し、忘れられれば消える。それが流行神(ハヤリガミ)。 矢野千種の仕事は、その神を殺すことだ。 祓わない。封じない。名前を差し替え、世間の言及先を空の語へ逃がし、対象を餓死させる。かつてマタギが山中で里の言葉を捨て、熊を「イタズ」と呼んだように。 ただし代償がある。言い換え語を作った者は、消した神の本名を死ぬまで覚え続けなければならない。忘れた瞬間に、名は戻る。 業界は斜陽。アーカイブが忘却を壊し、機械が言及を続ける時代に、名前を消す技術は原理的に負けつつある。従事者は高齢化し、若手は千種しかいない。 忘れられない記憶力を買われて採用された彼女は、世間から消した怪異を一人で全部覚えている。 民俗学×SNS時代のお仕事ホラー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/04
  • 現在の作品換名 —名を変えて、神を消す—