あらすじ

「家計はわたくしの蓄えから、御親族への月々の仕送りもわたくしが包む。そのかわり、二人で倹しく」——婚礼の日の取り決めを、十五年守ったのはわたくしだけでした。夫の靴底は、三月ごとに新しくなっておりましたのに。 月々銀三十。薪と塩と、薬。どの家の月末が重いかは、手紙より襟に出ます。それを読めるのは、包んできたわたくしだけでございます。 わたくしは何も暴きません。公証人の前で、仕送りの引受を終え、蓄えの帰属を確かめるだけ——取り決めの、正式な終い方でございます。 ——翌月、包みはどこへも届きませんでした。どなたが十五年包んでいたのか、皆さまはそこで初めてお数えになります。

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小説を読もう2026/08/04
  • 現在の作品離縁いたします。十五年の家計も仕送りも守ったのは私だけ——包み金を結い納め、蓄えごと出てまいります