あらすじ

この世界の人間は、十五になると神殿で「二つ名」を授かる。 もらった名前が、そのまま力になる。 「疾風のリク」は速い。「不屈のヴィム」は倒れない。 だから名前で仕事が決まり、名前で一生が決まる。 俺、クルトは三度その儀に出て、三度とも何ももらえなかった。 無名。まともな職には就けず、酒場で皿を洗っている。 ところが、ある日気づいてしまった。 ――どうやら俺は、他人に二つ名をつけられるらしい。 二十五年「石割り」と呼ばれ、一度も石を割れなかった男がいた。 彼は石割りなんかじゃない。ただ、耳が異様によかっただけだ。 「あんた、石割りじゃないだろ」 そう名づけた瞬間、その人は化けた。 地味すぎると笑われた名前で、酒場で一番強い男になった。 神殿の授名は、外れることがある。 記録に残っているだけで、三千件のうち二百件以上。 合っていない名前を背負わされたまま生きている人が、この街にはまだいる。 これは、名前をもらえなかった少年が、他人の名前を直していく話。

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小説を読もう2026/08/04
  • 現在の作品無名の名付け屋 〜二つ名を授かれなかった俺がつける名前は地味すぎると笑われたが、気づけば街で一番強い連中が集まっていた〜