あらすじ
遅めの昼食を済ませ、家路についていた男は小さく眉を寄せた。
視線の先――丁字路に黄色い帽子を被り、ランドセルを背負った小学生たちの列が続いていた。まるで蟻の行列のように途切れる気配がなく、次から次へと子供たちが現れては甲高い笑い声や駆け回る足音を響かせ、昼下がりの静けさをすっかり塗り替えていた。
この近くには小学校があり、その道が通学路に指定されていることを男はふと思い出した。
――時間帯が重なったらしいな。
男は小さく息を吐き、子供たちにぶつからないように周囲に気を配りながら歩を進めた。
小学生ってこんなに小さかったか――そんなことをぼんやりと思いつつ、視線を一点に据えて歩く。あまりじろじろ見て、不審者扱いされてはたまったものではない。