あらすじ
【あらすじ】
「この恋は夏の幻。最初から、終わりが決まっていたはずなのに――」
35歳のミサが眩しい真夏の湘南で出会ったのは、14歳年下のスウェーデン人青年・エリック(21歳)。
金髪に透き通るような青い瞳を持つ彼は、息を呑むほど美しいのに、どこかひどく寂しそうな陰を落としていた。
キラキラと輝く海、肌を焦がす太陽。熱に浮かされたように、二人は激しく惹かれ合う。
エリックが抱えていたのは、深く冷たい孤独だった。
結婚は4回目の父親、新しい継母、国籍もバラバラな連れ子たちが暮らす家。そこには彼の「居場所」などどこにもない。
傷ついた彼にとって、ミサの穏やかで包み込むような優しさは、世界で唯一の救いだった。
しかし、永遠に続くかと思われた甘い夏は終わりを告げる。
エリックの帰国によって始まった、海を越えた遠距離恋愛。
舞台は、冷たく暗い秋が始まるスウェーデンへ。
灰色の空の下、再び家庭内の孤独に飲み込まれたエリックは、ミサへの狂おしいほどの愛と執着、そして会えない不安から、少しずつ心を壊していく。
画面越しに伝わってくる彼の悲痛な叫びと、重すぎる愛。
それを受け止めるミサは、静かに自分の心に鍵をかけようとしていた。
「これは、期限付きの恋だから」
彼を救いたい。けれど、一緒に溺れるわけにはいかない。
残酷なまでに現実を見据え、傷つかないようにと防衛線を張る大人の狡さ。
狂おしいほど愛を求める21歳と、冷靜さを装う35歳。
交わることのない二人の温度差は、やがて避けられない「ひとつの結末」へと向かっていく――。
甘く焦がれるひと夏の記憶と、遠距離恋愛がもたらすリアルな残酷さ。
痛いほどに切ない、大人のラブストーリー。