あらすじ
とある屋敷に、自殺を繰り返す虫嫌いの少女がいた。政略結婚のためだけに産んだと云い聞かされて育ち、外にも出されず、白い部屋で着飾って生かされるだけの己の生に絶望した少女は〈死〉に希望を見出し、自殺を繰り返すようになる。
そんな少女の前に一人の男が現れる。彼は少女の兄のもとへ売り飛ばされてきた男だった。男はたびたび少女の自殺を阻止し、屋敷中の人々に見放された少女の世話を焼く唯一の人間となる。
これは、死と生。「死にたい」少女と「あと百年生きたい」男。互いに相反する光を見出した二人の、人としての生の行方を描く蠢動の物語。