あらすじ
ある日学園丸ごと異世界に転移した私立麻桜高校の生徒たち。
彼らが転生したのは、誰もが知っている世界的VRMMO「ヴァルキリー・オンライン」の世界だった。
この世界では、プレイヤーは戦乙女ヴァルキリーと呼ばれる存在達の中から自らが信仰するヴァルキリーを選び、その使徒として活動するのがルール。
現実では不幸にして金が無くて遊べなかったが、憧れから偏った知識だけはウィキなどで得ていた伊藤蓮雪は、周囲が混乱する中で、この機会にヴァルキリー・オンラインの初見プレイを楽しむことにする。
それまでの蓮の偏った興味は、ほぼすべてこの世界の独特の戦闘システムに向いていた。
選んだヴァルキリーが達成したイベントなどに応じて授けてくれる「ヴァルキリースキル」達と、魔物の素材やレアアイテムなどを用いて研究して作っていく「魔道外骨格」を構成する装備群の組み合わせが生む、多彩で個性的な戦闘スタイルこそこの世界の華である。
ずっとやってみたかった「俺が考えた最強のビルド」を原作知識で色々試しているうちに、蓮は唯一無二の戦法を用いて、気付けばこの世界でも相当な強者といえる存在になっていた。
だが、実のところ、蓮はこの世界のことを何も分かっていなかった。
この世界の本質は、そんなところにはなかった。
それに気づいた時には、時すでに遅く……
この世界が真に誇るのは、プレイヤーたちの人間関係すらも巻き込んでいく、圧倒的で多彩な人間ドラマ。
その中でも最も心に残るものとされる、その本質とは……
いわゆる「鬱ゲー」なのであった……
現実におけるこのゲームの世界では、一度完全に死んだプレイヤーは二度とログインできなくなるという、オンラインゲーム史上類を見ない残酷なシステムが存在した。
そう、この世界は、まぎれもなくデスゲームなのである……
そして、このゲームの世界で一番売れている鬱ゲーたる所以は、それだけでは決して無かったのだった……