あらすじ
君の顔をよく見たかったのに、暗くなり始めていた夏の夜のぼんやりとした淡い青色の世界の中では、君の顔はよく見えなかった。
でも、きっと君からも私の顔はよく見えていないと思ったから、それはまあよかったかなって思った。
だって、きっと私の顔は、恥ずかしくて真っ赤になっていたと思うから。
私の本当の気持ちが、きっと隠し切れないくらいに顔に出てしまっていたと思ったから。
「ふぶき先輩」
君がまっすぐな声で言った。
「なに?」
私は今年、高校を卒業する。
高校を卒業して、大人になる。私と君は今、そんな大人と子供のちょうど半分くらいのところにいるのだと思った。