あらすじ
ゼロライン
**正しく読めていた。
それでも、その読みは、一度も勝利にならなかった。**
野球の名門校で控え捕手だった牧野慧は、配球をいつも読み切っていた。
打者が何を狙うか。
投手が何を投げるか。
試合がどこで動くか。
全部、読めていた。
それでも、ベンチから出番を呼ばれることはなかった。
机の下には九冊のスコアブック。
負けた試合のページだけ角が折れていて、その続きを書いたことは、一度もない。
野球をやめた慧が出会ったのは、五人制FPS『ゼロライン』だった。
リロードの音。
覗いてくる角度。
装備を選ぶ癖。
残り時間の使い方。
そして、**五秒で価値を失う情報。**
エイムは平凡。
反応も人並み。
撃ち合えば、負ける。
それでも慧には、誰にも負けない武器が一つだけあった。
**敵が、次にどこへ現れるのか。**
それだけは、なぜか外さなかった。
オープン予選。
慧は、五人目が欠けたまま戦うチーム《Blank》と出会う。
試合には勝った。
それで終わるはずだった。
数日後、一通の連絡が届く。
> **席は空いています。**
> **ただし、あなたに撃ってもらうつもりはありません。**
誘われたのは、誰もやりたがらないポジション。
四人の未来を読み、勝敗を声だけで動かす司令塔――**コーラー**。
読むだけでは、勝てない。
読んだ未来を、一秒以内に四人へ届けなければ意味がない。
その一言が遅れれば、味方が倒れる。
その一言が正しければ、世界王者にも勝てる。
これは、誰にも選ばれなかった控え捕手が、「撃たない司令塔」として世界の頂点を目指す物語。
**勝敗を決めるのは、最後の一発じゃない。
その一発を撃たせた、たった一つの声だ。**
AI補助利用。
chatGPTで段差や改行等読みやすくしてます