あらすじ

人は、どこまでを「自分」と呼べるのか。誰かに与えられた言葉と意味が、あなたを形作っている。そしてあなたも、それを愛や自由と呼びながら、次の誰かへ渡している。 これは、「自分は自分である」という確信を、男の手記が壊していく心理ホラーである。 母だけを基準に育った彼は、十一年の逃亡と対決の末、関係を断つ。だが支配は、制度にも、彼の思考と倫理にも残っていた。 母の逆を選べば、それは自由なのか。誰かを思って与えた言葉は、次の支配にならないのか。 三十八年の記録を読むほどに、他者を知ること、言葉を理解すること、自分として存在することの確かさが崩れていく。最後に残るのは、あなた自身への疑いだろう。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/03
  • 現在の作品ハコニワ