あらすじ

丹波国・篠山藩から将軍――上様の元へ嫁いだ星(ほし)姫。だが二人はある事情から江戸城を離れ、別々に暮らす“派遣”の身となっていた。なぜなら星姫は、幕府が激しく弾圧する『隠れキリシタン(プロテスタント)』の姫だったから――。数ヶ月ぶりに人目を盗んで再会した湯殿、そして深夜の褥(しとね)。誰もが恐れる冷徹な天下人は、二人きりの布団の中で、お星姫に縋(すが)るように切なく乞うのだった。「お前の知る『神の言葉』を、ここで余に囁いてくれ」と。昼は冷酷な支配者としてキリシタンを裁き、夜は密かにお庭番を遣わして信者を逃がす救済者。天下人としての重圧と孤独に震える上様にとって、聖書の輝きを紡ぐ星姫の声だけが、暗闇を照らす唯一の「星」だった。バレたら天下がひっくり返る国家最高機密。誰も知らない大奥の聖夜に、いま、二人の禁断の免罪符が下される――。 ◆上様(徳川将軍)誰もが恐れる冷徹無比な天下人。世の秩序を守るため、表向きはキリシタンを厳しく弾圧する「鬼の仮面」を被っている。しかしその本心は、孤独と重圧に押しつぶされそうになっており、自身も神の救いを求めている。城から離れて暮らす星姫の元へはお忍びで訪れ、深夜の湯殿や布団の中では、甘い悪戯っぽさと切ない弱さを見せる。星姫の腕枕の中でしか安眠できない。 ◆星姫(ほしひめ)丹波国・篠山藩から上様の元へ嫁いできた高貴な姫君。実は、実家でも命がけで信仰を守り続けてきた「隠れキリシタン(クリスチャン)」。上様の特別な計らい(お役目)により、現在は城から離れた隠れ屋敷へと“派遣”され、別々に暮らしている。芯が強く誇り高い性格だが、上様の前では不躾な発言をして慌てたり、初心(うぶ)に照れたりする。深夜の布団の中では、孤独な上様に神の愛を優しく説く「専属の聖女(伴天連)」となる。

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カクヨム
カクヨム2026/08/03
  • 現在の作品『大奥の聖夜 〜冷徹な上様は、深夜私に教えを乞う〜』