あらすじ
「史実のジャンヌ・ダルクの悲劇に涙し、彼女がもし生き延びて、優しさで歴史を塗り替えていったら……という想いで書きました」
19歳という若さで、異端審問の火刑台に消えたフランスの聖女、ジャンヌ・ダルク。歴史の裏側では、彼女の死後25年目に「名誉回復裁判」が行われ、その裁判は不当な捏造であったと完全無罪が証明された。
――だが、もしも。彼女の悲劇的な最期そのものが、歴史のイカサマであったとしたら?彼女を救えなかった後悔から、後に狂気へと落ちてゆく最強の戦友ジル・ド・レ。
彼女のカリスマ性を恐れ、猜疑心の塊となって闇の刺客を放つフランス国王シャルル7世。
政治の道具にされるのを防ぐため、かつての輝かしい名を捨て、激戦地の名を背負った一人の少女――ジャネット・パテー。
「剣を振るう戦いは終わりました。これからは、傷ついたこの国を癒やす戦いです」
国から見捨てられた荒くれ者の元兵士たちを率い、武器ではなく「クワと、種と、他人のために流せる美しい涙」によって、民の自立を助ける旅が始まる。それは、350年後の未来の地獄さえも未然に消し去ってゆく、世界で最も優しく、最も力強い『麦の大革命』の物語。
――絶望は、光によって救済される。