あらすじ
夢魔学校最低ランク――レベル1のサキュバスは、今日も人を誘惑できない。
一人暮らしの高校生、ジュンのもとに現れたのは小柄な一人の少女だった。胸などを隠す最低限の布地しかない、煽情的な出で立ち。背中には小さいが黒い羽、腰からは先端がハート型の尾も生えていた。
顔立ちは驚くほどに整っていて、おおよそ人間でないことは明らかだ。
そんな少女――リアは言った。
「あ、あああああ、アンタの……その……! せ、せせ、精を……ぷしゅぅ……」
どうやら彼女はサキュバスらしい。
しかしあまりに初心な性格をしているため、そういった発言をすると自らが赤面してしまう。人間を誘惑する教材ではなく、可愛らしい恋愛漫画ばかりを読んでいたという有様だ。
まさに落ちこぼれ、落第生のサキュバス。
夢魔学校の適性診断で「相性最高」と判定された相手は、恋愛にまったく興味のない超鈍感少年だった。
その相手――ジュンはどんな誘惑に対しても首を傾げ、リアの行動をすべて善意によるものだと勘違いするド天然。好意を向けられても、恋愛経験ゼロどころか、恋愛というものに興味がない。
しかし身寄りのないリアを居候させる、そんなお人好しの超善人だった。
そんなジュンを落とすための期限は、1年間。
落とせなければ、リアは生涯一人前とは認められない。
だが、すぐに赤面するリアと、恋に鈍すぎるジュンの距離は一向に縮まらない……。