あらすじ
かつて召喚師であり「勇者」と呼ばれた男は、ダークエルフの罠にかかり全ての魔力を奪われた。落ちぶれて盗賊まがいの行為に手を染めた彼は、呆気なく捕まり地下牢に幽閉される。「自分は勇者だ」と叫び続ける彼に向けられるのは、看守たちの冷ややかな視線だけだった。
投獄から一年が経ったある夜、独房に謎のマントの男が現れる。「力を取り戻したいか」という問いに、勇者は狂ったように頷く。男が用意した「扉」をくぐった勇者が目を覚ますと、そこは見たこともない異世界「ガイナックス」だった。
失われたはずの魔力と召喚術が蘇り、さらにはかつて持っていなかった強靭な筋力と体力が全身に満ち溢れていることに気づく勇者。大魔王の支配から逃れるため、辺境の地に追いやられた人間たちの最後の砦の人々は、彼を救世主として暖かく迎え入れた。しかし、力を取り戻した勇者の心に宿っていたのは、感謝ではなく、かつての横柄で歪んだ優越感だった。
大魔王を討つための「伝説の武具」を集める旅に出た勇者は、卑劣な手段で目的を果たし、ガイナックスの人間を見下しながら進む。ついに大魔王の城へ辿り着いた彼を待っていたのは、絶望的な力の差と、恐るべき取引だった。